閑話 「キャッツキルの鷲」的な材木座パクリ小説

作者:佐藤@Celaeno
[2019/06/03(月)]
「初秋」

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「聞いてどうするかね?」 「もちろん、助けに行きます。いや、二人だけじゃない。相馬祐介と相馬南も、なんらかの形で助ける」 「そうか。きっと、止めても君は行くんだろうな。だが、軍も警察も・・・・」 「決め手がないのに動けるはずがないでしょ。俺なら、私的動機で動ける!」 「生きて帰れる保証はないぞ」 「大丈夫です。きっと生きて帰りますよ」 -------------------------- ------------- ------- --- -- - 今日も今日とて、彼らは平和を満喫する。 「財ノ字」 「なんぞなもし?」 「なんつったらいいのか、『臭い展開だな。おい』としかツッコミようがなかったぞ」 「お、それはもう敗北を認めたということかね?」 「誰が」 そう、俺たちはまた材木座の同人小説を読まされている。 てか、わずか四千文字たらず書いただけで一々持ってくるなよ。 おまけに、引きがいいから思わず先の展開が・・・おっと、別に楽しみにしてないからな。絶対にだ! 「ねえねえ、ソビエト連邦ってなに?」 「由比ヶ浜、お前ちゃんと歴史の授業受けてんのかよ」 「今時、歴史の授業で近現代史はやらないわよ。それに、まだ秋になったばかりだし」 「そういえばそうだな」 「で、蘇同盟ってなに?」 「蘇同盟って・・・・おまえ、わかっててぼけてんの?」 「てへへ、なんかたまにはこういうことやって弄ってみたいなあって」 「ソビエト連邦ってのは、1980年代の終わりに崩壊した共産主義国家のことだよ。いまのロシア連邦やカザフスタン共和国、バルト三国なんかを領有していた国家な。で、ここのクダラナイ前置きに出てくる極東通商代表部のおっさんは、テロ屋を支援して時の日本国首相を爆殺しちゃった悪者って設定・・・って、これ『攻殻機動隊』原作の話じゃねえか!?てか首相の名前って滝沢だったっけ?」 「名前は出ていなかったわね。ソ連の高官の名前も設定はなかったはずよ。首相の方は『東のエデン』から持ってきたのかしら」 「お、流石察しがいいでござるな」 「ええ、あれ酷いのよね。勝手に自分の作品と人の作品の設定を繋げちゃうなんて、神山建治ってまるでどっかの誰かさんみたいね」 「うぐっ!!」 「本編の中でも然りげ無く神山設定使っているしな。荒巻洋輔って、これSACでの追加設定で荒巻大輔の兄として出てきた人だろ」 「一応、荒巻洋輔は原作者が付け加えたキャラクターよ。でも、原作者はあまり思い入れがなかったのか、1.5に載っていたプロットでは酷い扱いだったわ。」 「そうだったの?」 「まあ、材木座君らしいといえばらしいわね。救い様がないくらい清々しいパクリっぷりだわ」 「ううっ、、、、なにもそこまで言わなくても」 いつも通りの展開として、材木座と由比ヶ浜は帰ってしまった。別に二人一緒というわけではないけどな。 それにしても、いつも都合良く先に帰る由比ヶ浜って、実は俺の中の妄想の産物ってことはないだろうか。 材木座の作品の中が本当の世界で、材木座の描いたように俺の前からフェイドアウトしている。 その世界は辛い現実から目を背けた俺が思い描く、平和で静かな世界だとか。 だとした、ちょっと悲しい。 ふと気がつくと、横に雪乃が立っていた。 「ねえ、八幡」 「なんだ?」 「もしこんなことが実際に起こったら・・・」 「もちろん助けに行くさ。助けに行くとも。俺は何も失いたくはない。お前も、周りの人間も・・・」 そう言うと、俺は東京湾の向う、富士の麓に沈んで行く夕日を見ながら呟いた。 「あそこに居るんだな」 そう呟く自分の声に俺は意識を引き戻される。地表すれすれに飛ぶ陸自のヘリのコクピットの中で、ウィンドウに映る処理映像となった夕闇に沈もうとしている丹沢産地が見ていた。 「もう間もなく、目標近くのLZ(ランディングゾーン)です」と、傍にいる小隊軍曹が言った。 いま、俺は陸自の特殊部隊と共に丹沢山地にある双愛会のアジトに向かっている。 雪乃と佑司の二人は、そこにいるらしいというのが圏警察、軍共通の見解だった。 「比企谷少佐、いや警視、我々は外周を固めますが、おわかりの通り・・・」 「ああ!わかっている。実際に戦えるのは俺だけだってな。いや、土岐さん、あんたも居たっけ」 「若造にはまだまだ負けんぞ。俺の実力を見せてやるよ」 「ええ、期待していますよ」 雪乃、佑司、絶対にお前達を失わない。 そして、佑司、お前に本当のことを教えないといけない。 お前は、愛されていなかったわけではない。 お前は、この上なく愛されていたのだと。 (本編に続く)

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